StartupWeekend Tokyo
StartupWeekend Tokyoに参加してきました。
このイベントは、週末の金曜日の夜から日曜日の夜までの54時間で、初対面の人たちでチームビルディングから、プロダクト開発まで行いましょうという、極めてクレイジーなイベントです。
http://tokyo.startupweekend.org/
僕は今回、初参加で、色々な意味で挑戦だったのですが、とても良い体験をすることが出来ました。
ここに、イベントの流れと、感じたことを記録しておこうと思います。
1日目(金曜日18:30~)
今回の会場は、サイバーエージェント(渋谷マークシティビル)。
会場入りすると、すでに150人ほどの人(ほとんどが社会人の方ですかね)が集まっていて、ピザや缶ビールを片手に談笑をしていました。
早くもカオスな状態で、知り合いのいない僕は、ひたすらピザを食っていました。
その後、「みんな床に座って、好きなワードを声に出して」と指示がありました。
その直後、会場は「はげ!」「トトロ!」「二日酔い!」「オタク!」「風俗!」・・・などと、秩序のないワードが飛び交い続け、
カオスな状態は、深刻度を増すばかりでした。
これが、シリコンバレーか。
僕は黙ってピザを食うしか出来ませんでした。
その後、ランダムで5人ほどのチームを組み、さっき出たワードの中から好きなものを2つ選び
それに関連する新しいプロダクトのアイデアを出せ。とのミッションが出ました。
そして僕らのチームは「喫煙」と「トトロ」を選択。
トトロを選択した自分が悔やまれましたが、
「禁煙トトロ.com」というプロダクトが完成しました。
トトロの画面付きのシガレット(タバコ)ケースで、喫煙者が煙草をすえば吸うほど、ケース画面のトトロの顔が邪悪になっていくから、禁煙したくなる。
という、極めてシュールなものです。
-
- -
こんな感じでアイスブレイクは終了し、60秒のアイデアピッチが始まりました。
このイベントで自分がやりたいアイデアをピッチをして、それに共感した人が、その人のもとに集まることで、チームビルディングが始まるのです。ピッチ後に、チーム人数が一定数以上に満たないところは、チームが無くなっていくと言った、これまたシビアな戦いです。
これが、シリコンバレーか。
僕は、ピザを食うのを辞めて、プレゼンに集中しました。
僕のピッチ内容は「わくわくする人を、増やしたい。だから、学歴や勤務地のような、自己表現ではなく、わくわくの記録を自己表現にするようなものを作りたい。」みたいなことを、話しました。
そしたら、なんと8人もの方が、僕のような若輩者についてきてくださることになり
約50のアイデアから16まで削減されましたが、無事,
僕は、チームビルディングに成功しました。
ここまでで、1日目は終了しました。
2日目(土曜日9:00~)
僕がチームリーダーとのこともあって、夜通し、リーンスタートアップ
- 作者: エリック・リース,伊藤穣一(MITメディアラボ所長),井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 360回
- この商品を含むブログ (96件) を見る
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 42人 クリック: 1,991回
- この商品を含むブログ (257件) を見る
睡眠不足の中、電車に揺られ、会場で朝ご飯を食べます。(サブウェイが配布された.
この日の作業は、昨晩作成したインセプションデッキの共有から行いました。
ビジョン、解決する問題、サービス概要など。。
その後、ブレストを行おうという話になり、気づけば、昼頃になってしまっていました。
今回のイベントは、MVPという、サービスの本質的価値にフォーカスして、開発を行うことが、今回のイベントの趣旨だったが、そのMVPのイメージの確立にかなり手間取ってしまいました。
サービスイメージが出来た後で、顧客のニーズ調査のためのアンケートなどを行ったのですが、その結果でまた、MVPのイメージ像を大きくピボットすることとなってしまいました。
そして、このピボットは、サービスの内容をシンプルに、というよりも、より複雑にしてしまったのです。
ビジョン共有、ブレスト、ニーズ調査、ピボット・・・と、進めていったが、チームは、サービスを形にするところに持っていくことが出来なくなっていていました。
(技術的問題も確かにあったが、これは、本質的原因ではないと思っている。)
今回の僕たちが、解決したい問題は、「わくわくした人を増やしたい。」といったものです。
しかし、この場合、今この時点で切実な悩みを抱えている人がいる問題ではないので、ニーズ調査でニーズをすくい取ることが難しいという問題もあったように思えます。恐らく、FacebookやTwitterのようなサービスも、まだものが出来ていない時点で使いたいかどうか?といったニーズ調査をしてもニーズをすくい取ることは出来なかっただろうと考えています。
そう考えると、まずはユーザーのニーズに偏りすぎるよりも、自分たちが欲しいと感じる、シンプルなビジョンと手段によって、とにかくものを作る。といったことを最初から行うべきだったと今になっては、感じました。
また、ビジョンの共有も確かに大事ですが、ものの15分で本当の意味でのビジョンの共有など出来ないし、ブレストをしても、皆が違う方向に意見を出し合って、収集がつかなくなってしまうだけだったと反省しています。。
ブレストなんてやめちまえ! | itokenv.com
今回の審査員のMOVIDAJAPAN伊藤さんのブログ
そんなこんなで、とりあえずの答えを出して(ピボット)、2日目は終了しました。
3日目(日曜日9:00~)
昨晩で、僕はとりあえず動画MVPなるものを作りました。
Dropboxの動画MVPは、有名です。
YouTube
しかし、僕らのは、機能を詰め込みすぎて、何を伝えたいのか、良くわからなくなっていたように思います。
3日間の睡眠時間は約3時間。死にそう。。
今までわけあって、自宅療養していた身としては、限界を超えていたといっても過言ではない...笑
そして、最終日は、とにかく最後の5分間のプレゼンに向けて時間を費やしました。
しかし、最後まで思うように、チームのマネジメントをすることが出来ずに、皆に手間を取らせてしまいました。
そして、プレゼンでは、スムーズに話した感じでは出来たものの、
情報を詰め込みすぎて、何が本質で何が、そうでないかが、分からなくなってしまっていました。
その証拠に、審査員の方からも質問が、1つしかでなかったという。。。
そして、結果としては、やはり優勝できませんでしたが、それ以上に悔しいのは、評価の前から、どこか自信を持てていなかったことです。
自分自身も、チームそのものもマネージメントできませんでした。
良いチームに出会えただけに、とても悔しかった。
-
- -
今回のイベントはめちゃくちゃ心身ともにハードで、消耗しましたが、
得るものが、多かったです。
一言で言えば、「まずは形にすること。」
この大切さを身を以て知りました。
シンプルに、「俺は、こうしたい!」とはっきり言えるということ。
そして、それに共感する人がいるなら、ニーズだってきっとどっかにあるはずだから、まずは最低限の価値で自分たちが欲しいと思うものを形にすることに集中する。
顧客なんか、ほっとけ!それは、後から!
話し合いから、ものは生まれない!まずは、作れ!
そう感じました。
このイベントは3日間で起業体験をする。というのがコンセプトでしたが
これがもし、本当の機会だったら、と思うと。。。笑
3日間という期限、そして評価基準、がある中でビジョンとサービスのコンセプトが乖離していってしまう。ということもあったけど、
本当の起業ならば、収益や顧客獲得、さまざまな制約が起こってくると思う。その中で、自らのビジョンを見失うこと無く、作り続ける。
この難しさを身を以て知りました。
しかし、これをブレイクスルーすることが、王道だ。
ということが、この3日間で疑似体験することが出来ました。
また、機会があれば参加したいと思います。