私がアフリカに行く理由。

こちら、ケニアのナイロビ午前6時です。
日本はお昼でしょうか。

ここで一度、
「私がアフリカに行く理由。」を整理しておきたいと思います。


ひとことで言ってしまうと、「面白そうだから。」です。


自分の思っている当たり前が壊れる感覚や1人で全く違う世界に突っ込んでいくという感覚は、怖いけど面白いものです。

今自分が生きている世界がどれだけ狭い世界なのか。それをヤバいくらいに認識できます。それは、観光スポットではなかなかできません。圧倒的に違う世界に身体1つで突っ込んでいくことで得られることです。当たり前にとらわれるということが、私にとっての最大のリスクだと思っていゆえのことです。


同時に、日本の素晴らしさを再認識するときもあります。
(ほんと、日本は奇跡の国だと思います。もてなしの心。日本製品の海外での進出っぷり。)


日本での議論がほんとちっぽけに感じることもあります。
(日本では国に対して不満ばかり言うのに、選挙すら行かない人が大多数。ですが、ケニアでは前回の大統領選挙のデモ活動で10万人の避難者と1000人の死者が出るほどの事態が起きています。その対局を知るためにも、あえて大統領選挙日と渡航を被せてみました。)


私には、ビジネスで世界を少しでも良い方向に「変えたい」という思いがあります。

その中で、非常に多くの人が直接足を運んだことも無いのに、憶測やメディアからのイメージで現地の話をしているのを聞くと、とても違和感を感じます。世界について考えるならば、やはり自分の足で現地に足を運ぶことが、リスクを負ってでも、最低限必要なことだと思うのです。


また、今回の渡航で考えたいと思っていることが2つあります。
・ビジネスが与える価値
・教育、マネジメントの可能性
というものです。

その目的あって、
Kenya nut company,
HASUNA,
Organic Solutions Rwanda 
という日本人の方がケニアルワンダにて事業活動を行う企業を訪問させていただく予定です。



・ビジネスにおける価値とは何か。

ビジネスとは、事業活動によって何らかの問題を解決し、その対価として顧客から利益を得るというもの。すなわち、ビジネスの本質は問題解決だと私は思っています。

しかし、この本質は見失われやすいものではないでしょうか。
なぜなら、利益を得ることと、問題解決をすることは必ずしも同じベクトルではないからです。

特に日本のような富裕国では、一定の所得を持つ人から、いかにして収益を得るかというビジネスモデルを考えた方が、利益を考えやすい。

逆に、前述した問題解決を前提とする事業を考えると、ソーシャル・ビジネスやBOPビジネスというくくりで、称されてしまうのが現状だと思います。

ビジネスに貴賤は無いけれど、私は「与える価値」というものを第一に考えたい。利益の次に、与える価値を置くということはしたくないと思うのです。

私はこの機会で、今一度、嗜好性の高いビジネスではなく、問題解決というビジネスの本質に立ち返りたいと思っています。

アフリカのように、生きるか死ぬかが身近である国や地域で成立するビジネスでは、嗜好性を求められない。

日本で知ることが出来ない何かがある、と私は考えています。

特に、日本よりも遥かに厳しい環境でビジネスを展開するにはゆるぎないビジョンや経営方針がなくてはできないことだと感じます。
日本人でありながら、この地で奮闘されている方と関わることで、ビジネスが与える価値について今一度、考えたいと思っています。



・教育、マネジメントの可能性

教育やマネジメントによって、自立・自律型の個人あるいは組織をゼロから創ることはできるのでしょうか。

アフリカでは、遅刻は悪いことではない、嘘をつくことは当たり前、ごみはその場に捨てるだけ、などといった文化があると聞きます。(そして、それはだいたいは真実だと分かりました。笑)
これらは、組織マネジメントにおいて、致命的なことです。

考えてみてください、みなさんの会社の社員が、みんな上記のようなことを常識としていたら...。
会社はすぐに立ち行かなくなるでしょう。

しかし、これがアフリカのデフォルトなのです。

もし、こういった人の習慣を教育やマネジメントにおいて良い方向に変えることができるのならば、それは、生きる環境を劇的に変える「きっかけ」になると思います。

飢餓や紛争という印象が根強いアフリカを、教育・マネジメントによって人間の後天的な部分から変わるきっかけを与えることができるのならば、それは人を変えることであり、世界を変えることに繋がると私は思います。

組織は、何かを為すための手段にすぎないですが、その組織における教育やマネジメントによって、個人の生き方そのものを良い方向に動かせるのならば、それはマネジメントとして最高のものでしょう。

それが可能なのか、私は上記の企業で見てきたいと思います。



私には、変えたい世界があります。
「何かやりたくても出来ない環境下に生きる人たちがいる中で、何でもやろうと思えば出来る環境に生きる人たちが、やりがいを持てずにいるという矛盾。」

これは、ひとつの問題意識にすぎませんが、そういった自分の中にある問題解決をするときに、このようなクレイジーな経験が大きな武器になってくれると私は信じています。